液体に粉体材料やペレットなどの固体を溶かす工程でのお悩みの1つに「溶解に時間がかかる」があります。
このコラムでは時間短縮するための方法を原因別にご提案します。
溶解に時間がかかる原因別にご提案
・材料投入に時間がかかる
・溶け残り・ムラ・ダマの解消に時間がかかる
溶解とは?
溶解とは「溶かす」こと、または「溶かして均一に混ざった状態」のことです。液体中に粉体を投入して溶かしきりたい場合に「液体に粉体を溶解させたい」などと言います。
溶かすことができる量には限度があり、ものや温度によって異なります。
その限度量のことを溶解度、限界まで溶かした状態を飽和(飽和状態)と言います。例えば塩の溶解度は約36(水100gに約36gまで溶かすことができる)で、温度による変化はほとんどありません。
溶解に時間がかかる原因別にご提案
材料投入に時間がかかる
粉の投入がスムーズにいかない
ホッパーを使って投入している場合は、エアレーションホッパーの使用がおすすめです。
【実験】小麦粉・抹茶のラットホールを解消するには?エアレーションホッパーの効果を検証
MONOVATEではホッパーのカスタマイズ、粉体の付着を抑える表面処理、ブリッジブレーカーなどの粉詰まり解消方法を、お客さまのご希望やお悩みにあわせてご提案できます。
関連コラム:「粉が詰まる!」を解消する方法とは?
投入する材料が重い
バランサーやステップ、作業台などを併用すると作業性が向上し時間短縮につながります。
当社では作業台付きのタンクも製作できます。
関連コラム:「投入や排出のロスを改善するカスタマイズ」を実績からご紹介します
溶け残り・ムラ・ダマの解消に時間がかかる
溶け残りが底に溜まる
比重の重い材料の場合は、投入して底に溜まってしまうと溶け残りの原因になります。
均一に分散できる撹拌装置や沈殿物を吸い上げる液流を生み出す撹拌機がおすすめです。
関連コラム:沈殿や沈降に強い撹拌機・撹拌装置の選び方ガイド
粘度が高く撹拌ムラができる
溶かすものの性質によっては、溶解していくうちに粘度がかなり高くなる場合もあります。
粘度が高いと混ざりにくくムラになりやすいため、溶解に時間がかかる原因になります。
一般的には温めることで粘度が下がるため、温めて粘度を下げた状態で溶解作業をすることが時間短縮になります。
MONOVATEのステンレスタンクや撹拌装置では、お客さまの設備やご希望にあわせた温調方法をご提案できます。
関連コラム:粘度とは?高粘度の液体でよくある問題と対策
関連コラム:ステンレス容器の温調方法
ダマができる
ダマはなかなか溶けず、溶解に時間がかかる原因になるため、ダマを発生させないことが重要です。
投入する材料に塊がある場合は、ほぐしてから投入するだけでもダマ対策になります。
MONOVATEではダマ対策として、投入方法や設備の見直しなどのご提案ができます。
関連コラム:ダマを無くす方法とは?
泡立ち抑制も時間短縮に有効
泡立ってしまうと溶解が完了しても消泡に時間がかかったり、品質に影響したりする場合があります。
材料の投入時に泡立たないようにすることや、泡立たないように撹拌することもおすすめです。
関連コラム:泡立ちを抑える「投入方法」とは
撹拌機実験事例:洗剤vs泡立ちを抑制する撹拌機
溶解撹拌装置のカスタマイズ事例
MONOVATEではステンレス製の溶解撹拌装置・タンクを製造しています。
内容物の性質、使用環境、カスタマイズのご希望をお伺いし、1台から設計・製作いたします。
酸素を溶解させる圧力容器
容量5Lのステンレス製圧力容器です。
余分な空気を排気した容器内に酸素を送り込み、先端の口金付きエレメントより液体内に酸素を拡散させます。
ワックスの加熱溶解装置
全容量100Lのヒーターユニットです。
湯せんのように内容物を温めながら撹拌することで、溶解効率を向上させます。
溶液の多品種少量生産用タンク
仕込み容量100~300Lのヒーターユニットです。
試薬・溶媒・pH標準液などの原料が高粘度であるため、加熱溶解できるようになっています。
溶解時間を短縮できたお客さま事例
既設の撹拌機では十分に撹拌できない場合、または手作業でムラができるような場合には、強力に撹拌できる撹拌機の導入をおすすめします。
当社の場合はまず溶液の性質などをヒアリングしてご希望に近い撹拌機をご提案します。
可能であればご購入前に実際の材料を使用してデモを実施し、溶解時間を短縮できるかや実機のハンドリング(作業性/取り扱い)についてお確かめいただきます。
ここでは当社のベルヌーイ流撹拌機を採用し、溶解時間を短縮できた事例をご紹介します。
「原薬の溶解にかかる時間を短縮したい!」製薬メーカー様の事例
従来品に比べ、溶解にかかる時間を30%短縮できました!
【これまでの課題】
原薬の量に対して十分に撹拌することができず、溶解に時間がかかっていた。
【導入の結果】
従来品に比べ溶解にかかる時間を30%短縮でき、生産性が向上した。
【その他導入後のメリット】
・コンタミネーションの防止につながった。(撹拌機を容器の蓋にヘルールで接続し、密閉しながら撹拌ができるため)
・シャフトの脱着がしやすい点や撹拌子の形状が洗浄性に優れていて、こまめな洗浄が必要な、衛生グレードが高い場所での使用に適している。
その他、撹拌体の変更や追加をすることもおすすめです。当社では、内容物に合わせてオーダーメイドで対応します。
実際の製品を使って溶解時間を短縮できるかテストできます!
このコラムで紹介したベルヌーイ流撹拌機などのMONOVATE製品は、購入前にデモを実施することができます。デモ機を使って「溶解時間を短縮できるか」実験してみませんか?詳細はデモの案内ページをご覧ください。