そもそも膨潤とは
パッキンと液体の相性によっては、パッキンが液体を吸収して膨張し、ブヨブヨになることがあります。このことを「膨潤」と呼びます。
これは液体がパッキンのゴムの分子間に入り込んでしまうことから発生する現象です。
イメージとしては、わかめを水で戻したときのような状態が近いでしょう。
膨潤がもつリスクとは
膨潤には以下のような困りごとを引き起こすリスクがあります。
- パッキンのサイズが大きくなり設置箇所に合わなくなる、密閉性が低下する
- 強度が下がり破損する、異物として混入する
- パッキンの交換サイクルが短くなり、コストが高くなる
このため、膨潤するかどうかを含め、パッキンと液体の相性を確認するのはとても重要なことです。
実際膨潤するとどうなるのか
こちらはフッ素ゴムを除光液(主成分:アセトン)に4日間程浸したものです。
実験前とだいたい同サイズのフッ素ゴムに比べ、サイズが大きく膨張していました。
また、手で触った感触もかなり柔らかくブヨブヨになっています。
寸法、重量も大きく変化していました。
実験前寸法 | 実験後寸法 | 寸法変化率 | 実験前重量 | 実験後重量 | 重量変化率 | |
フッ素ゴム | 14mm | 20mm | 142.9% | 1.6g | 2.44g | 152.5% |
同じ条件で実験を行った他の材質には、フッ素ゴムほどの大きな変化はみられません。
ゴムがボロボロになったものも
こちらはクロロプレンゴムを塩素系漂白剤(主成分:次亜塩素酸ナトリウム)に浸した結果です。
少し動かしただけで黒いゴムのかけらがボロボロと出てきます。
また周りに付いた漂白剤を拭き取ると黒い液体が付着し、ゴムが溶解しているような状態です。
体積の大きな変化は見られませんが、液体との相性が悪いことがわかります。
代表的な薬品に適したパッキンを知りたい方はこちら
まとめ
- パッキンが膨潤する=寸法、重量に大きく変化が出る
- 相性によっては、ゴムが崩れたような状態になるものも
当社では、内容物に合わせてステンレス容器や周辺機器に付属するパッキン材質を変更することが可能です。
すでに当社の容器を使用されているお客様でも、パッキン単体での購入が可能ですのでお気軽にお問い合わせください。