マーキング付ステンレス容器は医薬品業界をはじめとして様々な分野で使用されています。
マーキングする内容としては
- 容器の識別番号や管理番号
- 重量や設備の名称
- 製品名
などが挙げられます。?
容器や部品にマーキングすることで、洗浄時や輸送時の容器のバリデーション管理ができます。
従来のマーキング方法
①シールでのマーキング
- ステンレス容器のバリデーション管理として手軽に行える。
- シールがはがれて異物混入の原因になる。
- シールに異物や洗浄液が付着し、菌の繁殖につながる。
②マジック等でのマーキング
- 誰でも簡単にマーキングができる。
- 洗浄時や使用中に消えてしまう。
- 溶出したマジック等は異物混入の原因になる。
③打刻でのマーキング
- 半永久的に印字が残る。
- 打刻面の窪みに異物や洗浄液が溜まってしまい、菌の繁殖につながる。
- 打刻面からサビが発生しやすくなる。
従来のマーキング方法では「消える・溜まる・混入する」という問題点があります。
「消えない・溜まらない・混入しない」ステンレス容器のマーキング方法
従来のマーキング方法での問題点を解決できるマーキング方法として挙げられるのが、 レーザーマーキング と 電食マーキング です。
レーザーマーキング例
電食マーキング例
レーザーマーキングと電食マーキングの原理
レーザーマーキング
- レーザーによりステンレスの表面を僅かに削るマーキング方法です。
- レーザー光から発生する熱により容器表面に化学変化が起こり、印字します。
電食マーキング
- 版下を起こし、ステンレス容器の表面へ電気的に焼き付けるマーキング方法です。
- 金属表面から電気的に溶出させたイオンを、化学反応により黒色に変化させ、再び電気的に金属表面へ戻し薄膜を形成させます。
「消えない」
レーザーマーキングと電食マーキングで印字したものは、 滅菌や洗浄をしても消えることはなく、簡単に書き換えされません。
蒸気滅菌テスト結果
設定:器具滅菌コース 滅菌温度:121℃ 滅菌時間:20分
G-913:レーザーマーキング G-915:電食マーキング
滅菌前と滅菌後ではマーキング部分に変化は見られませんでした。
滅菌前
滅菌後
ステンレス容器の洗浄方法
中性洗剤で洗浄
キズが付かない柔らかいスポンジ等で洗ってください。
アルコールで拭き取り
キズが付かない柔らかいウエス等にアルコールを付けて拭いてください。
「混入しない(異物にならない)」
ステンレス容器の表面を直接加工して印字します。
シールのように剥がれるものがなく異物混入の原因になりません。
「汚れが溜まらない」
表面に凹凸を生じさせない印字方法のため、 汚れや洗浄液が溜まらず非常に衛生的です。
レーザーマーキングと電食マーキングの使い分け
レーザーマーキング
- 版下の製作が不要で作業時間も短いため、安価に印字できます。
- 機械による印字のため均一な仕上がりとなります。
- 製作数の多いものに向いています。
電食マーキング
- 版下の製作が必要で作業時間も長く費用がかかります。
- 手作業の印字のため仕上がりにムラが出やすいです。
- レーザーマーキングが出来ない部分にも対応し、自由度が高いです。
- 製作数の少ないものに向いています。
印字について
文字や数字の他にもQRコードやバーコード、ロゴマークなどもマーキング可能です。
印字可能範囲は容器や印字箇所により異なりますが、概ね以下を基準としております。
※弊社製容器に茶色レーザーで印字の場合。長さの単位はmm。
マーキング活用例
- マーキング付きのステンレス容器は大手製薬メーカー様をはじめ、様々な分野でステンレス容器のバリデーション管理に採用されています。
- 加工ロット数や部位により最適なマーキング方法で印字します。
- ステンレス容器本体だけではなく、部品や蓋にもマーキングできます。
- 容器本体と蓋を相マークにしたり、同一番号や連番のマーキングができます。
- マーキング内容やマーキング個所は任意に決められます(印字可能範囲内)。
?マーキング付きステンレス容器・部品の特注事例
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